お見苦しい点、ネタバレを含みます。ご容赦ください。
今日は小学校からの友人の結婚式。
楽しみ半分、不安半分。
不安の原因は、余興だ。余興は、T氏、N氏、僕の三人に頼まれた。
が、まったく打ち合わせをしていない。打ち合わせはしていないが、T氏がネタを考えてくれた。
僕は音源を頼まれたので用意したが、こんなんで大丈夫なんだろうか?
昨日、プライスレスなことがあったんだ。流れが来ていると信じたい。
相方さんと結婚式場へ出発。時間に余裕があると思っていたら、出るのが遅くなって
しまった。そこへT氏からのメール。
『今移動中なんだけど、俺ら受付とかって頼まれてたよね?』
マジですか?完全に失念してましたOrz
今からじゃ、どんな交通機関を使っても間に合わない。お手上げだ。
やっと横浜に着いたが、ここでさらに追い討ち。みなとみらい線が運休していたらしい。
今は動き出しているが、遅れが出ているようだ。
みなとみらい線に乗るのは危険な気がしたので、タクシーで会場へ向かう。
土地勘が無いので、どのくらいで着くかわからない。混んでなければ電車より遅くなる
ことは無いと思うが・・・。
14時30分ごろに会場へ到着。式は15時からなので、それには間に合った。
だが、受付時間は14時から14時20分。受付時間に間に合ってないし、
受付担当としても遅刻だ。
受付場所を必死に探す。T氏は先に着いているはずだ。受付業務をしているかも
しれない。
受付場所は、会場の人に聞いたらすぐに見つかった。T氏はいなかった。
受付を済ませ、T氏を探す。彼は、ラウンジの奥のテーブルでくつろいでいた。
受付業務を頼まれていたのは、思い過ごしだったらしい。
軽く挨拶を交わし、おなじテーブルにつく。さっそく、余興のネタをまとめたノートを
見せてもらう。電話で聞いていた内容と大きな違いはない。
残っている準備は、余興で話を振ったときに協力してくれる人を探すことだ。
誰が来ているか座席表で確認する。
「あれ?いない」
いないと思ったのは、十数年前に、一緒に湖へ行ったメンバーのひとり。
新婦さんと仲が良かったから、必ず来ると思っていた。
式の時間が近づいているが、N氏はまだ来ていない。
こちらは遅れることを織り込み済みなので、そんなにあわてる必要は無い。
N氏のうわさをしていたら、ちょうどやってきた。
と、時を同じくして会場の人が
『結婚式がはじまりますので、お集まりください。』
案内に従い、結婚式場へ向かう。
席に着き、しばらくすると式が始まった。
厳かな雰囲気の中、滞りなく式が進行する。
フラワーシャワーをするために、場が外へ移る。参列者が階段の左右へ並ぶ。
僕が適当なところへ並ぼうとしていたそのとき、
『受付をする新婦友人の方、新郎友人のT様、M様は一番下の段へお越しください』
やっぱり受付担当だったんですかOrz
苦笑いのT氏と僕。新婦友人の方にはお詫びするしかない。
フラワーシャワーの後に、もうひとつイベントがあった。
パラシュートを付けたクマを空気鉄砲的なもので撃って、参列者がキャッチするというもの。
(ちゃんと名前ついてたはずだけど、忘れました。ごめんなさい)
凝ってるなあと思う半分、なんてお詫びしようか半分。
披露宴の受付をするために、受付担当の4人は披露宴会場がある建物の入り口近くに
集まっていた。
そこでT氏が
『受付遅れて申し訳ありません。朝、神戸を出たんですが間に合いませんでした。彼も電車が遅れて・・・』
僕も一緒に頭を深く下げる。前半は真実だが、後半はとても真実とは言えない。
事実の皮を被ったいい訳だ。
訂正したかったが、いろいろ考えて堪えた。これ以上、印象を悪くするわけにはいかない。
今必要なのは、今後の披露宴をスムーズに進めることだと思う。
気持ちを入れ替えて披露宴の受付を開始したが、ほとんどやりかたを覚えておらず
ぎこちないことこの上ない。
T氏のフォローをおかげでなんとか任務完了。
遅れて披露宴会場に入る。他の人たちは、ほとんど席に着いていた。
自分の席を探し、荷物を置く。
T氏が余興の時間を確認してくるというので、それに同行する。
司会の人は、披露宴の進行をしていたので聞けなかった。
T氏が聞きに行った先は、配膳担当のチーフっぽい女の子だ。目と鼻がちょっと特徴的。女の子は、ポケットからいろいろ書き込みがされたスケジュール表を取り出し、
余興の時間を確認する。
「覗き込んで見ちゃダメですよ。イベントについては秘密です♪」
「余興の時間は17時30分ぐらいですね。最後ですよ。」
T氏が
『トリとはね。あはは』
特にあせった様子は無い。頼もしい限りだ。
これを書きながらふと思ったことだが、T氏はこのあたりから余興の最終調整に
入ったんじゃないだろうか。
余興の時間がわかったところで席に戻る。そろそろ、新郎新婦入場だろう。
白クマとネームプレートを袋に入れ、料理のメニューを見ていたら
同じテーブルのN氏に声をかけられた。
『これ新郎の兄貴から頼まれたんだけど』
唐突に、手のひらサイズのソニー製ビデオカメラが登場。
ビデオ撮影かぁ。N氏大変だと思うけどがんばれ。応援してるぞ。
『俺、使い方わかんないから後は任せた』
そんなこと言って手渡されても、俺も似たり寄ったりなんですが・・・
【ビデオにまつわる昔話】
昔、新郎新婦と一緒にスキーへ行ったことがある。
新婦さんがビデオカメラを持ってきていて、みんなで交代で滑りを撮ってみた。
新郎と僕が撮った映像は、被写体の人が最初は小さくて、加速して近づいて
来たと思ったら、目の前をあっというまに通り過ぎていく。どんな滑りをしているか
まったく参考にならない。
新婦さんが撮った映像は、被写体の人が最初から最後まで程よい大きさで
映っていた。
そこで新婦さんに言われたひとこと。
『ズーム使わなかったの?』
そういうことは先に言ってくださいよぉ!
「うーん・・・」
ビデオカメラを見つめ唸ってみたが、代わりの人は現れない。やるしかなさそうだ。
考え方を変えれば、これは挽回のチャンスだ。
それじゃ、がんばって卍解しましょうか。
ちょっと、試しに録画してみよう。
カメラの液晶を開いて起動を待つ。録画ボタンをポチ!
液晶画面に「録画」の表示が現れる。もう一回、録画ボタンをポチ!
液晶画面の「録画」が消えた。これで撮れてるのかな?
撮れているか確かめる方法を知らないので、確かめようがない。
『みなさま、新郎新婦の入場です。ご注目ください』
司会者が高らかとアナウンスする。
それに合わせ、気を引き締めて撮影を開始する。
祝福されながら、テーブルの間をゆっくり進む新郎新婦。
そして、メインテーブルに着き、座る。
司会者から新郎新婦が紹介される。と、ここでハプニングが。
ふたりの仲を取り持った友人の名前をちょっと間違えた?と僕は思った。
会場は特に反応なし。ふたりの出会いをよく知らないと気づけない。
液晶画面の中のふたりは、鋭く反応し目線を合わせた。
僕の考えは当たっていたらしい。
続いて、主賓の挨拶。
まずは新郎側。某大型家電量販店の支店長。若い!
新郎は、そこでコンシェルジェをしているそうだ。最近、テレビでよく見るやつです。
次に新婦側。某おかき屋さんの社長。さすがに威厳がある。
新婦さんは、デパートに入っている支店の店長をしているそうだ。
挨拶が終わったところで、ケーキカット&ファーストバイト。
新婦さんの持ってるスプーンがめちゃ大きい。カレースプーンの幅と長さを
3倍ぐらいにした感じ。離れてみてるから、実際はもっと大きいかもしれない。
それでケーキを詰め込まれる新郎。がんばって2口で食べきった。頼もしいぞ。
乾杯も無事終わり、個人的に待ちに待ったご歓談タイム。
ここまで一通りビデオに収めてみた。
僕には、食事をするまえにやらなければならないことがある。
ビデオカメラの操作方法の確認。
ビデオカメラを持ち、新郎のご家族の席へ向かう。
ターゲットは、新郎のお兄さんだ。
久しぶりに会ったお兄さんは、スキンヘッドになっていた。
体大きいし、めちゃ迫力あるんですが。恐る恐る話しかける。
「お兄さん、すみません。ビデオカメラの使い方を教えていただけませんか?」
『俺も頼まれただけだから、使い方知らないんだよなぁ。』
話してみたら昔と変わらない、優しいお兄さんだった。
「大丈夫です。本人に聞いてきます。」
最初から新郎に当たれば良かった。新郎の隣にしゃがみこむ。
「これの使いかた教えてもらっていい?(忙しいところ申し訳ない。)」
『録画ボタンを押して開始、もう一回押して終了。あとこれズーム。』
「りょうかいしやしたぁー。頑張って撮ってきます。」
ビデオカメラ使いのレベルは上がらなかった。経験値が足りないらしい。
一旦、自分の席へ退却。すでに料理が運ばれていた。
同じテーブルの友人達は、すでに食べ終わっている。
早く食べないと、配膳の人に迷惑をかけてしまう。さっき登場した
イケメンシェフには申し訳ないが、味わいながら急いで食べる。
「ふぅー」
食べ終わって一息つく。さて、これからどうしたものか。
イベントは一通り撮るとして、それ以外はどうする?
考えながらまわりをキョロキョロしてみる。配膳をする人に混じって、集合写真を
撮ったカメラマンと、大きいビデオカメラを担いだ人がいた。
どちらも新郎新婦の依頼を受けて撮っているプロだろう。
これを書きながら、改めて考えると疑問が湧く。このビデオの目的は何だ?
彼らと僕の付き合いなら、ビデオを持った僕が撮影を理由に、どこでも突撃する
と考えるんじゃないか?突撃させて何をさせたい?
いくらなんでも考えすぎか。妄想終了。
このときはあまり深く考えず都合のいいように理解した。
「フォーマルな撮影は別にあるんだから、こっちは堅苦しくやらなくていいよね?」
「堅苦しくやらなくていい→好きにやっていい」とさらに拡大解釈する。
好きにやっていいと言われても(誰も言ってないが)面白いアイデアは浮かばない。
テーブル回ってメッセージを貰うぐらいしか思い浮かばないな。ベタだけど。
方針決定、即実行。
「それじゃメッセージもらいに突撃してきますね」
同じテーブルの友人に告げ、いざ出陣!
最前列のテーブルで一番攻めやすそうな、某家電量販店テーブルをロックオン。
なぜ、ここが一番攻めやすいかは僕持っているものに理由がある。
主賓挨拶をした支店長さんに声をかける。
「あの、すみません。新郎友人の○○と申します。」
『はい?』
「このビデオカメラの使い方を新郎コンシェルジェに教えてもらったんですけど、
まだ良くわからないんで教えていただけませんか?」
『もちろんです。コンシェルジェ、ちゃんと仕事してませんね。』
「あはは、そうですね。(新郎、ホントすまん)」
支店長さんに、ざっと録画の仕方を教えていただく。
「教えていただきありがとうございました。もし、よろしければビデオメッセージを
いただいてもよろしいでしょうか?」
『よろこんで!』
某家電量販店テーブル、ミッション完了!
このあとも、「出撃→メッセージを頂く→自席に戻り食事」を繰り返す。
新婦友人で『僕も後に続きます!』と結婚宣言をする微笑ましい人がいた。
やってみると楽しいよ、ビデオ撮影
プロのビデオ撮影でもメッセージを頂いていた。
プロは、メッセージをもらう人の前に毎回移動していた。
僕はというと、ズームがあるのでプロのように移動しなかった。
「あっやべぇ!」
ここでまずいことに気づく。近づかないと音声を拾いづらいんじゃないか?
それに礼儀作法の点でも失礼だ。
ということで、プロの「相手の前へ移動方式」を即採用。
カメラを構えていると、プロのふたりはそれを察して映像に入らないように
避けてくれる。さすがプロ、周りが見えているなぁ。
僕のほうはというと、そこまで余裕がない。
プロのお仕事を邪魔してるかも知れないと思うと、申し訳ない。
幾多のミッションをこなし、十数年前に、一緒に湖へ行ったメンバーがいる
テーブルに来た。果たして覚えているんだろうか?
メッセージのお願いをしようとしたらいきなり指差された。
『今ちょうど噂をしていたところ!』
「はぁ・・・」
少し、会話したが昔話に繋がることはなかった。
もうひとりのメンバーは、会話に加わってこなかったので覚えていないの
かもしれない。
メッセージを頂き、自席へ帰還する。
もうそろそろ余興の時間だ。時間的に全ての人にメッセージをもらうのは
難しそうだ。
T氏の余興の仕込みは、完了したらしい。後は出番を待つだけ。
T氏の余興(もう、僕らの余興とは表現しませんよ?)の前に、新婦友人による余興。
新婦の高校時代の友人が数人前に出てくる。
友人達は、新郎に新婦の扱い方を説明し始めた。新婦の取扱説明書だ。
- 歩くとペタペタ音がしますが、故障ではありません。
- 食べ物を与えすぎた場合、大きくなることがあります。
- 争いが起きた場合、自分が悪くなくても謝ってみてください。それで、問題が解決する場合があります。
- たまにおいしいものを与えないと不機嫌になりますが、故障ではありません。
などなど。新郎新婦を知ってるだけに面白すぎる。
注意事項は多岐にわたるが、新婦を大切に扱っていれば問題なさそうだ。
これで終わるかと思っていたが、取扱説明書のあとに歌があった。
曲は、Kiroroの「Best Friend」
(【関係者の方へ】合ってる思いますが、間違っていたらご一報ください。)
前に聴いたことあるかもしれないが、どんな歌か思い出せない。
先が読めないので、いつベストシーンが来てもいいように身構える。
少し前まで自分の取扱説明書を聞いて笑い転げていた新婦が、心なし姿勢を正した。
歌が始まり、会場が一気に引き込まれる。
あれだけ細かい取扱説明書が作れる親友達に、歌を通して
『いつも助けてくれてありがとう』
なんて言われ、新婦の涙腺はひとたまりもなかった。
新婦の答えは、大粒の涙をこぼすことに換えられた。
場内を感動に包み、余興が終わる。
ビデオ担当として、いい画が撮れたので大変満足した。
いつまでも余韻に浸っていたかったが、余興のことを思い出す。今の後で大丈夫なんだろうか?
T氏いわく
『まぁ、なんとかなるっしょ』
直前打ち合わせで
『呼ばれて前に並んだとき、俺に合わせて「おめでとうございます」と言って。後はなんとかする。』
「了解です。」
司会者がアナウンスする。
『次に余興を披露してくださるのは、新郎の中学校の友人です。』
T氏がマイクを握り、僕らは横に並ぶ。
『本日はおめでとうございます!』
T氏が勢い良くほえる。そして一瞬の間。
「ん?」と思ったが頭が考えるより脊髄が反応していた。
「おめでとうございます!」
一言しかないセリフが飛びそうだった。
なんて綱渡りな一日なんだ。綱の上に留まっているなら救いようがあるが、
朝から何度も落ちて、毎回安全ネットのお世話になっている。
T氏を残して下がり、ビデオ撮影開始。さて、どうするT氏?
まずは、余興の概要を解説。
『通販番組っぽく新郎を紹介します。』
そして、お約束のお断り。
『えー、失礼なことがあるかもしれませんが、お祝いの席ということでご容赦ください。』
余興開始。頑張れT氏。液晶を見ながら祈る。
誰でも聞いたことがある某通販会社のCMテーマが流れる。会場がざわつく。
『さて、始まりました○○ネット○○です。今日のおすすめは新郎です!』
ネタ帳に無かった中学校名をねじ込む。アドリブ効くねぇ。
新郎の紹介でウケを狙ったが、反応は薄かった。T氏も万能じゃないと思った。
が、一呼吸置いて。
『めげないでドンドン行きますよ!』
どっと湧く会場。見事にリカバリーしたよ、T氏。グッジョブb
『本日の商品は、オークション方式になっています。宣言した使用期間が一番長い方のものになります。』
まず、某家電量販店に振る。
『新郎はどのくらい使って頂けますかね?』
「5年くらいですかね。」
『今のご時世からすると、それぐらいですよね。』
次に、新郎のお父さんに振る。
『新郎はどのくらい使って頂けますかね?』
「35年ですね。」
すでに35年大切に使って頂きました。
最後に新婦さんに振る。
『新郎はどのくらい使って頂けますかね?』
「一生で!」
『返品は出来ませんが、よろしいですか?』
「構いません!」
『お買い上げ、ありがとうございました~』
余興は無事に終了。
T氏お疲れ様!グッジョブ!
この後、閉宴までカメラを回し続けた。
(テープを使ってないのに、この表現はいかがなものか)
披露宴編は、ここで終了です。
近々、二次会編を書く予定です(連休の間になんとかしたい)
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kazumaです。まとまり無く、長くてすみません。
10月9日に書き終わりました。それまで書き終えていた部分にも手を入れました。
読み返してみると、ドキュメンタリじゃなくてただの反省文になりつつある・・・
記憶を巻き戻して、素直に書いてるだけなんですが。
記憶を元にしているので、間違っているところ、足りないところがあると思います。
申し訳ありません。
KiroroのBest Friendの歌詞を知りたい方は下記サイトで見れます。
goo 音楽 Best Friend Kiroro
ではでは
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